広島家庭裁判所 平成10年(少)3744号・平10年(少)2498号・平10年(少)2501号
主文
少年を初等少年院に送致する。
理由
(罪となるべき事実)
少年は、
第1 A、Cと共謀のうえ、
1 平成10年5月28日午前11時ころ、広島市○○区△○町×丁目××番×号○○×××号室E方において、同人所有の現金約6900円、財布1個(時価500円相当)を窃取した、
2 同年6月4日午前11時ころ、広島市○△区△□町×丁目×番××号○○マンシヨン○○×××号室F方において、同人他3名所有の現金約3万3120円、テレホンカード約10枚など37点位(時価合計約2万9000円相当)を窃取した、
第2 Aと共謀のうえ、
1 同年5月28日午後零時ころ、前記E方において、同人所有のペンダント2個など6点(時価合計約112万2000円相当)を窃取した、
2 同年6月3日午前9時ころ、前記F方において、同人他1名所有の現金約1万5000円、財布1個(時価300円相当)を窃取した、
3 同年6月20日午前10時30分ころ、広島市○□区○○×丁目××番××号○○マンシヨン×××号室G方において、同人所有の現金約2000円、ビデオテープ約5本など25点位(時価合計約4万円相当)を窃取した、
4 同年6月23日午後1時ころ、広島市○○区○○×丁目××番×号○○ビル×××号室H方において、同人他1名所有の文鎮1個など8点(時価合計約28万6500円相当)を窃取した、
5 同年6月29日午前2時30分ころ、広島市○○区○○×丁目×番×号○□ビル1階○○土地家屋調査士事務所において、I他1名所有の現金約5万1000円を窃取した、
6 前同日午前4時ころ、広島市○○区□□町×丁目×番×号中華料理○○において、有限会社○△代表取締役J他1名所有の現金1万1900円、ウエストバッグ1個(時価500円相当)を窃取した、
7 同年7月1日午前5時ころ、広島市○○区○□×丁目××番×号○△ビル1階理容院「○○」において、K所有の現金約4万円、シャンプー4本など5点(時価合計約1万5800円相当)を窃取した、
8 同年7月2日午前4時30分ころ、広島市○○区□△町×番×号□□ビル1階お好み焼「○△」において、L所有の現金約6000円、レジスター1個など5点(時価合計約2万6770円相当)を窃取した、
9 前同日午前5時ころ、広島市○○区○○×丁目××番×号株式会社□□において、同会社代表取締役M所有の現金約10万6500円、鍵1本など2点(時価合計約10万円相当)を窃取した、
10 同年7月3日午前5時ころ、広島市○○区□□町×丁目××番××号食堂「○○」において、N所有の現金約9万1000円、トレー1個など3点(時価合計約8万2500円相当)を窃取した、
第3 Aと共謀のうえ、平成10年7月2日午前4時ころ、窃盗の目的で広島市○○区○□×丁目×番×号株式会社○○工業□□支店(支店長O)に、新聞受けから手を差し入れて出入り口を開錠して侵入しようとしたが、警報機の吹鳴により逃走してその目的を遂げなかった、
第4 平成10年5月ころから連続して窃盗事件を敢行したことから補導されたが、反省することなく、深夜外出、無断外泊を繰り返し、同年9月7日からは家出をしていたもので、保護者の正当な監督に服さない性癖を有し、正当の理由がなく家庭に寄り附かず、このまま放置すればその性格、環境にてらし将来再び窃盗等の罪を犯すおそれがある、
第5 Aと共謀のうえ、平成10年12月16日午後9時55分ころ、広島市○○区○○×丁目××番××号マンシヨン△△駐輪場において、P所有の原動機付自転車1台(時価6万円相当)を窃盗した、
第6 公安委員会の運転免許を受けないで、平成10年12月16日午後10時15分ころ、広島市○○区○□×丁目××番×号有限会社○○前路上において、原動機付自転車を運転した、
ものである。
(法令の適用)
第1、2、5の各事実につき
刑法60条、235条
第3の事実につき
刑法60条、132条、130条前段
第4の事実につき
少年法3条1項3号イ、ロ
第6の事実につき
道路交通法118条1項1号、64条
(処遇の理由)
1 少年事件記録及び少年調査記録によると、次の事実が認められる。
(1) 少年にはこれまでに保護処分歴はない。
(2) 本件非行は、小遣い銭欲しさの侵入盗と遊興目的の原付盗、無免許運転であり、侵入盗は常習化の予兆がある。
(3) 実母は少年が6歳ころに離婚しており、少年は実母を恨んでいるし、実父からは家事をするよう命令され、家事をしないとしてよく叱られることもあって、実父に対する感情も不良であり、家庭において情緒的に充たされない思いが強く、家出や外泊に繋がっている。
しつけ不足から、基本的生活習慣がついておらず、年齢相応の判断力もなく、抑うつ的気分に支配されてふさぎこんだり不機嫌になったりしていらいらしやすく、最近では偏頭痛などの神経症的兆候も現れてきており、頑張りがきかず、投げやりで逃避的な構えが強い。
(4) 学力も低く、学校生活にも不適応をきたしている。
(5) 実父は、少年に対する愛情がないわけではないが、少年を育成するという姿勢よりも、家事を分担してくれる役にたつ子として大事にしている面が窺われ、健全育成の観点からは実父の保護能力は低い。
2 前記認定事実及び記録上明かなその他諸般の事情を総合考慮すると、少年は、家庭にも学校にも不適応状態に陥っており、非行が急速に深まる状況にある。しかも、少年の抱えている性格上の問題点にも深刻なものがあって、現段階で専門的な処遇を行う必要があると認められる。
よって、少年を初等少年院に送致することとし、少年法24条1項3号、少年審判規則37条1項により、主文のとおり決定する。